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日本で大きく報道されることはなかったが、2012年10月末に米国東海岸に上陸したハリケーン・サンディは、ニューヨーク市を含め合計850万軒という過去最大規模の停電を引き起こした。ニューヨークでも計画停電の実施に加え、ほぼ1カ月間停電の続いた地域があったなど、被害の全貌が明らかになりつつある。

 

〜中略〜

 

2・停電からの復旧

 

サンディによる影響で、ニュージャージー州では11月13日、ニューヨーク州は11月26日まで停電地域が残った。停電からの復旧に約2週間から1ヶ月を要したことになる。このためエジソン電気協会(私営電力会社が作る協会)はウェブ上に「ストームセンター」を開設し、電力各社の停電状況や復旧の進捗を集約、リアルタイムでの情報公開を行うなどの対応に追われた。

 

また同協会によれば、停電復旧には全米(カリフォルニア州など西海岸やハワイからも参加)やカナダの電力会社80社6万7000人に及ぶ作業員が応援に駆けつけ、まさに業界をあげての復旧が行われた。ちなみに昨年3月11日の東日本大震災後に生じた停電からの首都圏の完全な復旧は3月18日とほぼ1週間であった。さらに震災によって生じた約1000万kWの需給ギャップから、延べ10日間、7000万軒の輪番停電が行われたが3月28日に終了した。

 

〜中略〜

 

 

4・モジュール化され価格メカニズムに依拠する電気事業体制は万能ではない

 

今回、長期の停電が生じたニューヨーク州やニュージャージー州ではすでに発送電分離が行われ、電力システムも青木氏の言うところのモジュール型の開放ルールシステムとなっている。コン・エジソン社も発電資産の多くを売却し、送電系統運用の機能をニューヨークISOに分離して、送配電事業(ワイヤー・カンパニー)というビジネスモデルに特化している。

 

さらに系統運用を行うニューヨークISOは州内の卸電力市場(プール市場)を運営し、市場価格に応じて発電力やデマンドが調整される仕組みとなっているのであるが、これらが有効に機能して計画停電が不要になったり、停電量が減って復旧期間が短くなったりした形跡は見られない。ニュージャージー州もほぼ事情は似たようなもので、電力会社は発送電分離され、ISOであるPJMが系統運用と卸市場運営を行っているのである。

 

詳細はニューヨーク州などが取り纏める報告書を待たなければならないが、今回の米国での停電は、電力設備の設計・設置の形態やメンテナンスなどの管理面で自然災害に対する備えが必ずしも十分でなく、広範かつ膨大な設備に被害が同時発生して復旧の手が足りなかったことが長期化の原因だと推察される。同時に大規模自然災害などの電力設備被災で発電所停止等による急激かつ大きい需給ギャップやネットワーク事故による電力流通の寸断が生じる場合には、価格メカニズムによる需給調整や混雑管理では間に合わず停電するしかないわけだ。

 

また連邦エネルギー規制委員会はこれらISO/RTOが設立され卸電力市場が整備された地域での価格メカニズムによる需要削減(デマンドレスポンス)ポテンシャルをピーク需要の6−7%と評価している。電力システムの供給信頼度を保つためには、ピーク需要に対して持つべき供給力の余力(供給予備力)は8−10%と言われているから、仮にこの削減ポテンシャルすべてを緊急事態に活用出来たとしても、供給余力の一部を代替するに過ぎず、自然災害により供給を想定需要が上回るような需給ギャップ(予備力がマイナスになる事態)や流通ルートの損壊による途絶が生じた際には停電が生じたり、計画停電・供給制限を行うなどの措置に頼らざるを得ない。

 

これは発送電分離の進んだ米国でも同じことであり、今回のニューヨーク州だけでなく、発送電分離と全面自由化が行われたカリフォルニア州やテキサス州でも計画停電が実施されている。カリフォルニア州では2001年の電力危機発生時の計5回の計画停電に加えて、電力危機収束後の2005年8月にも気温上昇による需要増加により90万kWの計画停電を実施している。

 

またテキサス州の独立系統運用機関ERCOT(テキサス信頼度協議会)でも過去2回(2006年4月17日(季節はずれの気温上昇)と2011年2月1日(寒波))、想定を上回る需要増加と発電機不調が重なって生じた需給キャップを需要削減だけでは吸収できずに計画停電が行われている(特に2011年には400万kWの計画停電実施)。

 

サンディによる米国での大規模停電を通じてわかったことを纏めると、以下の様に要約できるだろう。第一に米国北東部地域のように電気事業のアンバンドリングや卸電力市場の整備が進んで、需給調整や送配電網の混雑管理に価格メカニズムを最大限に活用している地域でも、価格メカニズムが停電を抑制する効果は極めて限定的であるということだ。

第二に電気事業における産業組織の「モジュール化」すなわち発送電分離型の電力システムが自然災害などの環境変化に強いという形跡は認められないということだ。むしろ大規模停電復旧の過程では、発電・送電・配電・需要家設備すべての復旧を短期間で整合的に行う必要があるため、「モジュール化」組織に移行するのであれば、各モジュール間のインターフェースが適切に設計されないと、かえって復旧が長引く畏れがあることに留意すべきだろう。

 

そもそも青木氏の主張は、多様なモジュールが市場から殆ど制約なく調達できることを前提としているように思われ、モジュールたる電気設備が稀少になっている大災害発生時に氏の論を適用するのは無理があるように感じる。

発送電分離や価格メカニズムの活用が進んだ欧米の電力システムも万能ではないのだ。わが国では原発事故によって電力システムの弱点が露呈したことを前提にした電力システム改革が進められようとしているが、その前提自体に疑問があると言えるだろう。むしろ原発事故を契機として露わになったのは脆弱なエネルギーセキュリティそのものであり、その確保にこそエネルギー政策の重点がおかれるべきだろう。発送電分離を目的化することなく、日本経済の発展につながりうる建設的な電力システム改革議論が進むことに期待したい。

http://www.gepr.org/ja/contents/20130107-01/

 

引用記事は、被害規模を比較する上で一昨年の震災での停電・計画停電とハリケーン被害での停電・計画停電を記していますけど、昨年11月には北海道で暴風雪被害による大停電が発生しています。

 

 

 

この北海道の停電は11月27日に発生し11月30日には、ほぼ全面復旧しています。

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はっきり申せば日本人をちょっと貶めるような・・・国内報道が多すぎ

その結論に至ることをみんな恐れている

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