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改造内閣発足―結果出していくしかない
 
 菅直人第2次改造内閣が発足した。
 
 仙谷由人官房長官らに対する参院の問責決議を受け、やむなく人事に踏み切ったのが実態である。
 
 しかし、菅首相はきのうの記者会見で「日本の危機を越える力を最大にする」ことが眼目だと強調した。とするなら、これからの実際の仕事ぶりでそれを示してもらわなければならない。
 
 与謝野馨経済財政相の起用は社会保障制度と財源の改革、海江田万里経済産業相らの起用は環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を含む経済連携と農業改革のためだという。
 
 政権の最優先課題は一体何か。覚悟が見えず、すぐふらつく。そんな批判を首相は浴び続けてきた。目指す目標を明確にし、人事を通じ実行する態勢を整えようとした意図は理解できる。
 
 マニフェスト政権公約)を網羅的に実現させる「全面展開型」から、菅氏が掲げる二つに力を注ぐ「2点突破型」にかじを切ったと言えるだろう。
 
 むろん一筋縄にはいくまい。政権は深刻な逆境にある。今度こそ金看板の「政治主導」に魂を入れ、改革を現実のものとしなければならない。
 
 大切なのは、国民の理解を得る丁寧な努力である。
 
 首相は会見で「社会保障のあり方を考える中で、持続可能な財源のあり方も議論する」と語った。国の懐が苦しいという言い方では消費増税に理解を得られないと学んだのだろう。社会保障や農業の将来像をどう描き、不安を除くか。成否はそこにかかっている。
 
 政治主導を実効あるものにするには官房長官の役割が重要である。
 
 閣僚がそれぞれの思惑で言い募り、内閣として統率が取れない。政権交代後、見せられたのはそんな姿だった。
 
 批判はあっても、仙谷氏は衝突する利害を調整し、憎まれ役を買って出ていた。その役割を、46歳と歴代最年少の枝野幸男氏が担えるか。枝野氏は立て板に水の弁舌が際だつが、一方で危うい発言も散見される。
 
 心もとなさを拭い去るかぎは、足らざる点を自覚し、互いに補うことだ。繰り返し指摘してきたように「チーム菅」をがっちりと組み上げ、活発に機能させていくことである。
 
 78歳の藤井裕久元財務相を官房副長官に、69歳の江田五月前参院議長を法相に据えた異例の人事には批判もある。それに応えるには、経験と知恵を生かし、結果を出していくしかない。
 
 チーム菅がまず直面するのは依然、政治とカネの問題である。岡田克也民主党幹事長小沢一郎元代表に対し、きのうまでに衆院政治倫理審査会への出席を自ら申し出るよう求めていたが、小沢氏は応じなかった。
 
 この問題を早急に処理しない限り、「最強の態勢」もつかの間の掛け声に終わるほかない。
 
 
菅再改造内閣 懸案に党派を超えて取り組め(1月15日付・読売社説)
 日本が直面している危機を乗り越えねばならないという菅首相の意欲はうかがえる。
 
 だが、政策の実現には与党だけでなく、野党の協力が不可欠だ。菅首相の不退転の決意と実行力が問われよう。
 
 ◆政策実現へ政治生命を◆
 
 菅再改造内閣が発足した。
 
 改造の狙いは、明確である。
 
 一つは、参院で問責決議が可決された仙谷官房長官と馬淵国土交通相を事実上更迭し、国会審議への障害をなくすことだ。
 
 無論、問責決議に法的拘束力はない。しかし、自民、公明など野党が両氏の更迭を強く要求し、西岡参院議長まで「国を担う資格なし」と仙谷氏の辞任を求めた。
 
 24日召集の通常国会が冒頭から動かない事態を避けるには、更迭はやむを得ないだろう。
 
 もう一つは、首相が「政治生命」をかけると言明した消費税を含む税制と社会保障制度の一体改革や、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加、日米同盟強化に取り組む体制を整えることだ。
 
 そのための目玉人事が、たちあがれ日本を離党した与謝野馨・元官房長官の経済財政相への起用である。“外様”の入閣に、民主党内では、従来の言動と整合性がとれるのかと反発が強い。
 
 だが、首相は与謝野氏の能力と経験を買い、野党側とのパイプ役を期待している。記者会見では、与謝野氏が麻生内閣で社会保障の基本政策を検討した「安心社会実現会議」の中心だったとして、政策で共通認識があると語った。
 
 与謝野氏には、社会保障問題での与野党協議実現など、具体的な成果を上げてもらいたい。
 
 TPP参加に消極姿勢を示していた経済産業相の大畠章宏氏を国土交通相に横滑りさせ、後任に経済財政相の海江田万里氏を据えたのも、首相のTPP推進の意思の表れと見てよい。
 
 前原外相と北沢防衛相を留任させたことは妥当な判断だ。米軍普天間飛行場の移設問題を解決する糸口を見いだし、日米同盟を立て直すためには、継続的な取り組みが欠かせない。
 
◆野党も連帯責任果たせ◆
 
 首相は、重要課題解決に向けて布石を打った。問題は、野党からいかにして協力を得るか、そのために民主党内をどうまとめていくかである。
 
 内閣の要、官房長官には、小沢一郎元党代表に批判的な枝野幸男幹事長代理が就いた。安住淳国会対策委員長の起用とともに「脱小沢」路線継続を鮮明にした。
 
 首相は、野党から協力を得るうえで足かせになっている小沢氏の「政治とカネ」の問題決着に本腰を入れる姿勢を示した。
 
 だが、小沢氏の問題を契機に、民主党内に生じた亀裂は深刻だ。新内閣についても小沢氏を支持する議員たちは「挙党一致にはほど遠い」と冷ややかだ。
 
 政権基盤の弱い菅首相が、ただでさえ困難な消費税率上げ、TPP参加といった課題で党内をまとめるのは容易ではなかろう。
 
 首相自身にも問題がある。党大会では、子ども手当導入や農家の戸別所得補償について、歴史的にみて間違っていないと強弁した。これでは民主党政権公約見直しを求める自民党など野党の協力を得られるはずがない。
 
 首相は、謙虚に反省し、政権公約を抜本的に改めることからスタートすべきだ。
 
 自民、公明両党にも注文したい。民主党政権が今直面している課題は、いずれも自公政権から引き継がれて来たものだ。
 
 野党だからといって統一地方選に向けて対決色を強め、衆院解散・総選挙に追い込むことを目指すだけでは、無責任だ。政党支持率も上がるまい。
 
 与党とともに協議のテーブルにつき、難題解決の一翼を担うべきである。
 
 今回の改造では結局、連立政権の枠組みを変更できなかった。
 
 菅首相は、たちあがれ日本との連立工作に頓挫し、次の手を打ちあぐねているのだろう。
 
 ◆政界再編の芽を生かせ◆
 
 衆参ねじれ国会で、重要法案を成立させるために、衆院で再可決可能な3分の2以上の議席確保を図るのか、あるいは参院で過半数獲得を目指すのか――首相は野党との連携に関する根本的な戦略をまだ描けていない。
 
 しかし、今回の与謝野氏の入閣で政界再編の芽が出てきたとも言える。与謝野氏が言うように、国の命運を左右するような課題には各党が「政争の場を離れて」取り組むべきだ。
 
 政党間の連立や再編を促すためには、やはり、二院制の在り方を含めて、問題の多い衆院と参院の選挙制度を大胆に見直す必要があるのではないか。
 
 それが、国会の機能不全を打開することにもつながろう。
 
(2011年1月15日01時20分  読売新聞)
 
 
新聞の全国紙の中で、売り上げ部数全国?世界?一位?二位?を自ら誇っている大新聞二紙がなんだか同じ様な社説を書いている。
 
余程の読解力が無い方か、世事に関して余程興味を示さない方でもない限り、この二紙の社説は何を言わんとしてるか、いや誰を援護しているか、お分かりだろう。
 
ともかく、サギのカモにならぬようご用心、ご用心・・・

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